リーバイス501のボーイズ・ユースモデルの大戦モデルで、品番は503BXXではなく503XXBで、その前に"simplified"の"S"が付く。物資削減中に製造されたモデルでコインポケットのリベットが省略されており、バックポケットのアーキュエイトステッチもプリントで代用されている。プリントのアーキュエイトステッチはすぐに消えてしまうのが難点でユースドで残っているものは少ないが、この1本についてはまだ洗濯された回数が少ないのかうっすらとプリントが残っている。生地は、大戦期の先後のものと比べると黒味が強いのが明らかである。ここに掲載しているのは、フロントボタンやリベットから大戦期のものの中でも比較的初期のものと推測される。
レングスがやや長めなので全体を見ても分かりにくいが、太いストレート。インディゴの色が濃いというよりは、黒いという印象が強い。
残念ながら、革パッチは外れてしまっている。
バックポケット
右のバックポケット。端の方は、アーキュエイトのプリントがまだうっすらと見える。ポケット周りのステッチがかなり乱れているのがいかにも大戦モデルらしい。
バックポケット
右バックポケットのアーキュエイトのプリントが残っている部分の拡大。オレンジのプリントが残っている。もう一度洗濯すれば落ちてしまうかもしれない。
バックポケット
左バックポケット。こちらの方は、全体的にアーキュエイトのプリントが残っている。
赤タブ
"LEVI'S"の刺繍が片方のみ施されたいわゆる片面タブ。
ベルトループ
後ろ真ん中のベルトループは、縫い目の上に付けられている。太さ1.4cmの太いベルトループ。
隠しリベット
厚みがあって端が滑らかになっている隠しリベット。"LS&Co-SF-"の刻印。
トップボタン
メッキされた鉄製のトップボタン。V字ステッチや平行ステッチなどの補強は施されていない。
フロントボタン
フライボタンが2つであることから、503XXBと判別できる。
フライボタン
刻印の彫りが深いボタンが使われている。
トップボタン裏
トップボタン裏は、ドーム型。ボタン裏刻印はない。
リベット
銅メッキの鉄製と思われるリベット。戦前モデルに使用されていた"co"の"o"が小文字のものが使われている。
リベット裏
銅メッキの鉄製と思われるリベット裏。
コインポケット
大戦モデルのため、物資削減のためコインポケットのリベットが省略されている。
コインポケット裏
シングルステッチで縫われている。
サイドステッチ
かなり長めのサイドステッチ。なお、左右のサイドステッチで異なる太さの糸が用いられている。
股部分
物資削減のため補強のリベットが省略された。
股部分裏
下端が切りっぱなしになっている。大戦モデルの特徴というより、これより前のモデルから引き続いている仕様。
スレーキ
左右とも、一般的なスレーキの生地が用いられている。
アウトシーム・セルビッジ
写真のように雑に処理されているのが、大戦モデルらしい。耳のピンク色もうっすらと残っている。
生地
色が9割弱残っている状態であるが、インディゴの色が濃いというよりも、インディゴの上に黒をかけたという感じの色味。スラブ感も強く感じられるが、ネップは意外と少ない。
| 表記サイズ | ウエスト |
ヒップ | 前股上 | 後股上 | ワタリ | 股下 | 裾幅 | 総丈 |
| - | 72 | 102 | 28.5 | 38 | 29 | 77 | 21 | 103.5 |