US ARMY Pullover Jacket (1930~40年代製)

 大きなフロントポケットが特徴的なUS Armyのプルオーバージャケット、1930~40年代のものである。裏面には、"Western Costume Co."のスタンプが押されているところ、同社は映画衣装を製作している会社で、古着を映画衣装として提供していたようであり、ここで紹介するものは軍の放出品を映画衣装として利用するために同社が保有してものではないかと推測される。このタイプのジャケットには、捕虜に着用させるものには"PW"(Prisoner of War)のペイントが施されているが、これには"P"のみペイントされている。このペイントは、軍において施されたものではなく、映画衣装として利用する際に施された可能性もあると考えられる。

USARMYPULLOVER_前面
裾に向かって広くなっていくAラインのシルエット。胸の部分の大きなポケットが特徴的である。
USARMYPULLOVER_背面
背面には、大きな"P"のペイント。ペイントには剥がれなどのダメージがないことから、前述のとおり映画衣装として利用するために施されたものかもしれない。
USARMYPULLOVER_ボタン

ボタン

US ARMYの刻印が入ったメタルボタン
USARMYPULLOVER_フロントポケット

フロントポケット

このプルオーバージャケットの一番の特徴である縦長のポケット。実際には、あまりに大きすぎて、あまり使い勝手はよくない。
USARMYPULLOVER_袖先

袖先

ボタン1つだけのシンプルなカフス。使われているボタンは、フロントのボタンと同じである。
USARMYPULLOVER_スタンプ

WESTERN COSTUME CO.のスタンプ

生地の裏面に押されているスタンプ。"28"の数字の下に"WESTERN COSTUME CO."の文字がある。その下の単語は写真では見にくいが"HOLLYWOOD"のように見える。
USARMYPULLOVER_生地

生地

スラブ感が強い2×1の生地。色はかなり青みが目立つ。