WRANGLER 11YW (1954~57年製)

 ラングラーの11MWのユースモデルで、フラッシャーの情報から1954~57年の製造ではないかと思われる。ボーイズモデルやユースモデルはジッパーフライのものが多いが、これはボタンフライである。生地は、この前の時代のものと同じく11オンスのものが用いられている。

Wrangler11yw
フラッシャーとタグが残った状態のデッドストック。元々は小冊子が付いていたが、欠損してしまったものと思われる。
wrangler11yw_前面
真っ直ぐに落ちていくいかにも1950年台らしいストレート。レングスが短いため太く見えるが、実際には、さほど太くはない。
wrangler11yw_背面
中央のペルトループは、オフセットベルトループになっている。
wrangler11yw_フラッシャー

フラッシャー・パッチ

これより前に製造されたと思われる11YWZ (1951~52年製)やこれより後に製造されたと思われるWRANGLER 11BZX (1957~1958年製)とは異なるデザインとなっており、1953年までのロデオチャンピオンが掲載されている。
wrangler11yw_フラッシャー(裏面)

フラッシャー(裏面)

フラッシャーの裏面には、ラングラーの紹介がなされている。記載の内容から、本来は小冊子が付いていたことが窺える。
wrangler11yw_パッチ・タグ

パッチ・タグ

ブルーベルマークが入った塩ビ製のパッチ。パッチの下には、通常の洗濯ではダメージはないので、パッチをつけたままにしておいてくれと記載されたタグが付いている。当時は取ってしまう人が多かったのだろうか?
wrangler11yw_タグ

タグ

ロットナンバー、サイズ、生地の厚さが記載された左後ろ部分に付いているタグ。
wrangler11yw_内タグ

内タグ

いわゆる「縦ベル」が付いた内タグ。この前の時代のものは四辺が縫われていたが、これは両サイドのみが縫われている。
wrangler11yw_バックポケット

バックポケット

やや深めのWのステッチが入っている。先後の時代のものと比べて特に変化があるわけではない。
wrangler11yw_トップボタン

トップボタン

これより前に製造されたと思われる11YWZ (1951~52年製)では銅色のボタンが使われていたが、これはツヤのある赤色の刻印の付いたシルバーのボタンに変わっている。なお、これ以降もボーイズモデルでは、シルバーのボタンが用いられている。
wrangler11yw_フロントボタン

フロントボタン

フライボタンは3個で、同年代の同サイズのリーバイス501と同じ数である。
wrangler11yw_フライボタン

フライボタン

トップボタンとは異なり、銅色のボタンが用いられている。
wrangler11yw_トップボタン裏

トップボタン裏

この先後の時代に作られたものと異なり、銅色のリベットのような形状のものがトップボタン裏に用いられている。
wrangler11yw_ベルトループ

ベルトループ

この時代よりも前の11YWZ (1951~52年製)ではセンターシームの左側に付けられているのに対し、これは右側に付けられている。
wrangler11yw_リベット

リベット

ラングラーのジーンズではおなじみのフラットなリベット。
wrangler11yw_リベット裏

リベット裏

リベット裏の形状はこの時代の先後のものと同じで、色は銅色。なお、この時代よりも後のものは色がシルバーになる。
wrangler11yw_コインポケット

コインポケット

この時代よりも前の11YWZ (1951~52年製)と同じくコインポケットの上端はカンヌキによる補強のみで、リベットが打たれていない。この時代よりも後の11BZX (1957~1958年製)では、コインポケット上端もリベットで補強されている。
wrangler11yw_アウトシーム

アウトシーム

ダブルステッチの巻き伏せ縫いで、裾はシングルステッチ。
wrangler11yw_生地

生地

左綾でスラブ感が強く、織りキズやネップも散見される。この時代の前のものと比べると若干赤みが強いように思われる。

表記サイズ ウエスト
ヒップ 前股上 後股上 ワタリ 股下 裾幅 総丈
W27/L28 69 90 25.5 34 26 67 21 93