リーバイスが1960年代前半に展開したデニムショーツが550ZXXである。当時は、あまり人気がなく、短命に終わったモデルのようである。いわゆるギャラ無し紙パッチが付いているものの、リベット裏は銅色のものが使われており、紙ハッチがギャラ入りからギャラ無しのものに変わる過渡期、1963~4年に製造されたものと思われる。ディテール面では、通常のジーンズと共通する点が多いが、作業着としての性格がほぼ皆無でファッション性が大きなモデルであることの反映か、隠しリベッドが省略されている。ここで紹介するものは、当時であればユースサイズとされる29インチのものであるが、30インチ以上のものと品番は変わらなくなっている。

LEVI'S550ZXX
554ZXXと同様にプリシュランク用のフラッシャーが付く。また、前述のとおり作業着としての性格は持っていない製品だが、ギャランティーチケットも付けられている。
LEVI'S550ZXX_前面
モモの真ん中より少し上ぐらいまでの裾。
LEVI'S550ZXX_背面
LEVI'S550ZXX_紙パッチ

紙パッチ

"Every Garment Guaranteed"の印刷がないいわゆるギャラ無し紙パッチ。品番の文字は通常のXXと同じである。レングスの記載がない。
LEVI'S550ZXX_フラッシャー

フラッシャー

554ZXXと似たプリシュランク用のフラッシャーだが、隠しリベットが省略されているため記載がなくなっている。
LEVI'S550ZXX_ギャランティーチケット

ギャラティーチケット

紙製のギャランティーチケット。554ZXXのもものと同様に、左下に1960年の著作権の記載があり、"FOR OVER 100 YEARS"の記載となっている。また、目立つ文字で"PRE-SHRUNK"と書かれている。

バックポケット

正方形に近い形のバックポケット。アーキュエイトステッチは、バランスがとれたきれいな形である。

赤タブ

両面刺繍タブ。"○R"が入り、"V"の字は均等"V"である。

ベルトループ(センター)

センターのベルトループがずらされたオフセットベルトループ。真っすぐ取り付けられている。

バータック

隠しリベットは省略され、バータックに代えられている。後述のとおり、ギャラ無し紙パッチの最初期モデルと思われることから、最終期のXXであるために隠しリベットが省略されたのではなく、550ZXXの仕様として省略されていたと見るべきであろう。

トップボタン

505系統の銅色のトップボタンとなる。磁石が付くため銅メッキの鉄製と思われる。

ジッパー

GRIPPER ZIPPERが使用されている。

トップボタン裏

"K"の刻印が打たれている。

リベット

磁石が付くため、銅メッキの鉄製と思われる。

リベット裏

ギャラ無紙パッチであればアルミ製のリベット裏が用いられるのが通例であるが、これにはギャラ入り紙パッチのものに用いられる銅色のリベット裏が用いられている。紙バッチがギャラ入りからギャラ無しに変わる移行期の製品だと推測される。

コインポケット

BIG E期に製造されたオレンジタブなどではコインポケットのリベットの省略といった仕様がみられるが、これには一般のジーンズと同様にリベット付きのコインポケットが付けられている。コインポケットの布はタテ使いで、向こう布は横使い。

アウトシーム・セルビッジ

退色していてわかりにくいが2本の赤い線が入った耳。裾はチェーンステッチだが、黒色の糸で縫われている。

生地

生地は、色味、スラブ感、ネップ感などまさしくXXという生地。

表記サイズ ウエスト
ヒップ 前股上 後股上 ワタリ 股下 裾幅 総丈
W29/- 74 106 27.5 38 29 18.5 24 42