エドウイン359BFは、1963年に誕生したエドウイン社(当時 常見米八商店)の初期のモデル。同社のサイトでは、359BFについて「ペルーのタンギス綿を用いた16ozのレインボーセルビッジ(耳つき)デニムを紡績と開発し、生地から一貫したオリジナルのコンセプトを持った国産のオーセンティックなジーンズ「359BF」を発売。」と記載されている。日本でロープ染色を用いたデニム生地の生産は、1960年代後半からであるので、359BFに使われている生地は日本製ではないと思われるが、生地の企画から携わるということは当時としては画期的だったのであろう。その記事は、手に触れると16オンスという数字がすぐに実感できほどの質感があり、国産ヴィンテージと呼ばれるものの中でも、異質な存在感を持った一本である。

EDWIN359BF
バックポケットがまるまる隠れてしまうほど大きなフラッシャーに、紙パッチ、赤タブが付く。生地は、ワンウォッシュがかけられている。
EDWIN359BF_前面
中庸なストレートで、60年代のものでありながらも、裾に向かってのテーパードもあまり見られない。
EDWIN359BF_背面
EDWIN359BF_紙パッチ

紙パッチ

ワンウォッシュされているせいか、インディゴが付着してしまっている。パッチには、"EDWIN"のロゴのほか、"GENUINE WESTERN JEANS FOR ALL THE PEOPLE OF THE WORLD BY EDWIN FOR CENTURIES TO COME"と記載されている。当時にしては随分な大風呂敷だったと思うが、本当に世界的なジーンズブランドになったことは驚きである。
EDWIN359BF_フラッシャー

フラッシャー

ロデオの写真に、"EDWIN"のロゴ。ロゴの横には登録商品を示す○Rマークがあり、ロゴの下には、"U.S. REG. PAT. OFFICE APPLIED"の文字。既にアメリカで商標登録されていたのであろうか。紙パッチのほかここにも"WESTERN BLUE JEANS"の文字があり、西部のカウボーイがイメージされていたようである。フラッシャーの上に価格タグも付けられている。1963年当時の大卒初任給は2万円弱とのことなので、2,200円という価格は、日用の衣料品としてはかなり高価であったと思われる。
EDWIN359BF_内タグ

内タグ

ウエストベルト内部には、刺繍タグが付く。
EDWIN359BF_バックポケット

バックポケット

Wのステッチはやや上寄りで、左右のバランスもややいびつである。ステッチは、ポケット周囲はオレンジだが、Wのステッチはイエローが用いられている。
EDWIN359BF_バックポケット裏

バックポケット裏

バックポケット裏はシングルステッチになっている。
EDWIN359BF_タブ

タブ

写真ではやや見にくいが"EDWIN"の刺繍が入った両面タブ。リーバイスと同じく右ポケットの左に付いている。
EDWIN359BF_バータック

バータック(バックポケット)

バックポケット裏は、隠しリベットではなくバータックによる補強。
EDWIN359BF_トップボタン

トップボタン

刻印が入った光沢の強いボタン。刻印は、"EDWIN S.F.CAL"となっているが、当時のエドウィンはサンフランシスコとは無縁であったであろう。
EDWIN359BF_ジッパー

ジッパー

ジッパーは、両爪のスコービルが用いられている。
EDWIN359BF_トップボタン裏

トップボタン裏

無刻印で丸みを帯びたボタン裏
EDWIN359BF_リベット

リベット

"EDWIN USA"の刻印が入れられている。
EDWIN359BF_リベット裏

リベット裏

銅色で丸みを帯びたリベット裏。
EDWIN359BF_コインポケット

コインポケット

ポケットの生地、向こう布ともに、生地は横使い。
EDWIN359BF_コインポケット裏

コインポケット裏

復刻ものでは耳の部分が使われているようだが、これは白糸でロックが掛けられている。
EDWIN359BF_アウトシーム・セルビッジ

アウトシーム・セルビッジ

片耳で、耳はオレンジとグリーンのレインボーセルビッジ。もう片方は、コインポケット裏と同じく白のロックが掛けられている。裾はチェーンステッチ。
EDWIN359BF_生地

生地

16ozの生地が用いられているとあって、かなりしっかりした質感がある。また、現在では検品ではねられてしまいそうな大きな織りキズも散見される。やや色あせているせいか、全体的にくすんだ色味である。

表記サイズ ウエスト
ヒップ 前股上 後股上 ワタリ 股下 裾幅 総丈
W30/L - 75 97 27 33 26 75 19 101.5