WRANGLER 11MW Prototype Model (1940年代後半製)

ラングラーブランドのジーンズの発売前にプロトタイプ(試作品)として製造されたモデル。いくつかの雑誌などを読むと、プロトタイプには、前期型と後期型が存在するようだが、ここに掲載するのは前期型と思われる。バックポケットのステッチがW字ではなくアーキュエイトステッチであったり、製品タグが付けられていた形跡がないといった点で製品化されたものとは異なる点はあるが、全体的にはラングラーらしさが既に垣間見えるジーンズになっている。
Wrangler11MWProto_前面
かなり太めで真っすぐに落ちるストレート
Wrangler11MWProto_背面
ベルトループは7本。
Wrangler11MWProto_バックポケット

バックポケット

ステッチが擦り切れているため見えにくいが、深めのアーキュエイトステッチが入れられている。またポケットの上部分には、おそらくパッチが付けられていたであろう跡も見える。ポケット上部は、2か所をリベットで留めているが、この仕様は、製品にも引き継がれていくことになる。
Wrangler11MWProto_トップボタン

トップボタン

"WRANGLER"の刻印入りだが、後々のもののようにロープ文字になっていない。
Wrangler11MWProto_フライボタン

フライボタン

無刻印のフライボタン
Wrangler11MWProto_比翼部分

比翼部分

比翼部分は、ボタンホールが一つずつステッチで区切られている。
Wrangler11MWProto_トップボタン裏

トップボタン裏

丸みを帯びたトップボタン裏で無刻印。
Wrangler11MWProto_リベット

リベット

後のラングラージーンズと同じく突起がないリベットが用いられている。
Wrangler11MWProto_リベット裏

リベット裏

これも1950年代の製品版のラングラージーンズと同じく中央部分が膨らんだリベット裏が用いられている。
Wrangler11MWProto_ベルトループ

ベルトループ

後中央のベルトループがオフセットベルトループになっている。リーバイスは1940年代後半に中央の縫い目に合わせてベルトループを取り付け、50年代初めにオフセットベルトループに移行したが、ラングラーではそれより少し早めにオフセットベルトループを取り入れていたことになる。
Wrangler11MWProto_コインポケット

コインポケット

生地を斜めに使っており面白いが、コインポケットの作り方自体は、後のラングラーに通ずるものがある
Wrangler11MWProto_アウトシーム

アウトシーム

糸が擦り切れていて見えにくいがダブルステッチの巻き伏せ縫い。写真では、裾がチェーンステッチになっているが、縫い糸にダメージがみられないことから、オリジナルではないと思われる。
Wrangler11MWProto_生地

生地

左綾の生地。色は、ほんの少し黒みがかっており、後のラングラージーンズと比べると、若干青みが弱いように見える。

表記サイズ ウエスト
ヒップ 前股上 後股上 ワタリ 股下 裾幅 総丈
- 75 104 29 38 30.5 72 21 96