リーバイスの復刻ラインであるLEVIS VINTAGE CLOTHING(LVC)の1947年代の501XX復刻モデルで、コーンデニム社(旧コーンミルズ社)のホワイトオーク工場製の生地を使用し、アメリカ国内で縫製されたモデルである。この品番のモデルがいつから展開されたかは不明であるが、ここで紹介するものは2015年に製造されたものである。ヴィンテージの501で使用されたものに近い織機(*)で製造された生地を用いた米国製復刻ということで、現在製造可能なものとして文句のない出自であったが、2017年末にホワイトオーク工場が閉鎖され、残念ながら消滅せざるを得なくなってしまった。
* Inventory誌2013年春夏号によると、ヴィンテージ501で使用された旧型織機はドレーパーX2であったが、いわゆるバレンシア復刻はじめホワイトオーク工場で復刻版リーバイス用の生地を織るために使用されたのはドレーパーX3であった。ドレーパーX3はドレーパーX2よりも幅広の生地を生産できる織機であったが、復刻版リーバイスの製造のため幅の狭い生地を織るための改造を加えられたとのことである。
フラッシャー
フォントの違いはあるが、フラッシャーのデザインや表記は、ヴィンテージのものとほぼ同じ。ただ、一番下の段が、ヴィンテージでは"Copyright 1945. L.S. & Co. S.F."となっているのが"Copyrighted 1947 L.S. & Co. S.F."に変わっている。
バックポケット
バックポケットは、ヴィンテージの片面タブと比べるとやや縦長だが、糊を落として縮ませないと比較は難しいところである。アーキュエイトステッチは、イエロー。片面タブは、オールイエローのものなどイエローステッチが多用されているものが多いが、この1947モデルでは、目に見えるステッチでは、イエローが使われているのはアーキュエイトステッチのみである。
ベルトループ(センター)
センターの縫い目に沿って付けられたベルトループで、ヴィンテージの片面タブの仕様を再現している。また、約1.5センチの太めのベルトループもヴィンテージの仕様に沿ったものになっている。ただし、ベルトループは後付けで、ウエストベルトと合わせて取り付けられるいわゆるバンザイ付けにはなっていない。また、上下両端のカンヌキも、ヴィンテージではベルトループを完全に横切るように施されるが、LVCでは真ん中部分のみになっている。
トップボタン
見た目は、刻印の字がほんの少し大きいという以外では、ヴィンテージとの違いはなく、ヴィンテージのものに多く見られるような表面が白っぽい錆止め加工が再現されている。ヴィンテージと異なり、磁石の反応はない。V字ステッチはきれいに仕上げられているが、かえってヴィンテージ感が損なわれていると感じる人もいるかもしれない。
フロントボタン
片面タブであれば、ウエスト28インチのものは、トップボタンを含めてボタンは3つであるが、LVCではボタン数は4つである。今の感覚からすると、ヴィンテージに合わせてしまうと欠陥品とみられてしまうのかもしれない。
生地
生地は、コーンデニム社のホワイトオーク工場製。公称のオンス数は、リジッドの状態で12.25オンス、洗って縮ませた後は14オンスとされている。経糸の糊付けをしっかりとした上で織られているのか、リジッドの段階では毛羽立ちがまるでなく素材感に乏しい状態に見えてしまうが、糊を落とせば本来の表情が見えてくる。スラブ感は適度に感じられるが、糊の付いた状態ではさほど強く感じられない。ネップは、さほど多くはないがところどころに小さなものが見つけられる。色は、ややグレーがかかった濃紺。他のコーンデニム製のLVCの生地で経験済みだが、穿きこんでくるとかなりヴィンテージに近い青が姿を現してくるので色には期待したいところである。
表記サイズ | ウエスト |
ヒップ | 前股上 | 後股上 | ワタリ | 股下 | 裾幅 | 総丈 |
W28/L34 | 72 | 98 | 29 | 37.5 | 28 | 85 | 19.5 | 113 |